♪悪人@TOHOシネマズ六本木2010/10/03 02:01

原作は3年以上前にハードカバーを購入したものの、しばらく放置し実際に読んだのは昨年だったと思うのでそこそこ細部のストーリーまで覚えています。人間関係に不器用な主人公という部分では理解できるものの、地方という舞台設定なので感情移入は出来ませんでした。「悪人」とは何か?色々考えさせられる陰鬱とした内容でしたが、一気読みさせる筆力はさすがかなと。

悪人②

映画化に際しては深津絵里主演と聞いて楽しみにしていましたが、モントリオール国際映画祭で主演女優賞を受賞ということで期待が高まります。

悪人③

以下、ネタばれ有り。注意!

上映時間は2時間20分ほどですが、上映中客席から物音のしない重い雰囲気での鑑賞でした。原作とセットでの鑑賞がお勧めです。原作を読んでいれば小さなエピソードの意味が伝わってくるし、後から読めば新しい発見があると思います。

映画の枠なので祐一(妻夫木聡)の描写が足りず、自分勝手な弱い人間としてのみ伝わってくるのが残念。悪徳商法や母親のエピソードも浮いてる印象を受けます。原作では被害者家族・加害者家族に関る部分も丁寧に描かれています。それ故に原作の方が誰が悪人なのかを色々な側面から深く考えることが出来ます。

光代(深津絵里)も孤独な毎日の繰り返しから思いつめて出会い系へメールを送り、たまたま出会った男に運命を感じてしまうという愚かな存在なのですが、こちらは原作に忠実に感情の動きが表現されています。一時の純愛ではありますが、気持ちがストレートに伝わってきます。最後の一言にも重みがあります。

深津絵里は期待通りの演技を見せてくれましたが、前半の満島ひかりの演技も光っていました。満島ひかりと言えば10年以上前に音楽ユニット「Folder」のメンバーとして注目していましたが、女優として力をつけてきていますね。その他俳優陣の演技も素晴らしく★4.5。

悪人①

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